ベルリン・フィル団員情報


1999年11月の新情報 (公式ホームページによる)

1. Konzertmeister

シュピーラーの後任として、1993年秋に入団した2名のドイツ人の第1コンサートマスターのうち、クスマウルは先年退団したが、もう一人のコルヤ・ブラッハー(Kolja Blacher)も、昨シーズンで退団。ハンブルク音楽大学の教授に就任した。 BPOでの演奏会で強く印象に残っているのは、「エレクトラ」「トリスタンとイゾルデ」の演奏会形式での上演、及びクライバーのブラームス第4交響曲、そして今年の3月、最後にソリストとして演奏したバレンボイムとのエルガーのヴァイオリン協奏曲とのこと。

2.Violinen

トップ奏者(1. Simmführer)として1997年秋に入団したタウビッツが、試用期間後の投票により不採用となったのかどうか、退団した模様である。

ヴィオラ

第1ソロのヴォルフラム・クリスト(Wolfram Christ)が退団、フライブルク音楽大学の教授に就任した。 1955年生まれ。 6歳でヴァイオリンの勉強を始めたが、12歳でヴィオラに転向。 フライブルク音楽大学のウルリヒ・コッホの下で勉強。 1978年にソロ奏者として入団して以来、重要なメンバーだっただけに、退団は残念である。
また、昨シーズンで定年を迎えた土屋邦雄さんの名前も消えているが、今シーズンも、特別契約団員として活躍しているようである。

木管楽器

マルコ・トーマス退団後のソロ・クラリネットは、まだ空席のままとなっている。
また、1933年ベルリン生まれで、1959年入団以来、長年にわたってコントラファゴット奏者として活躍してきたカール・フリードリヒ・ユンク(Karl-Friedrich Jungk)の後任に、マリオン・ラインハルト(Marion Reinhard)が入団。名前から察して、女性であろうか?

金管楽器

ソロ・ホルン、ソロ・トランペット、ソロ・トロンボーンが、それぞれ1名ずつ空席になっている。
1947年、ベルリン生まれで25年近くソロ・トランペットとして活躍したコンラーディン・グロート(Konradin Groth)は、正式には、1998年9月30日に退団(従って、同年秋の日本公演は、エキストラとしての参加だったと思われる)。ベルリン音楽大学の教授に就任した。 その後も、1999年2月のベルリン、及びザルツブルクのイースター音楽祭で演奏されたバッハのロ短調ミサでも、エキストラとして出演していた。 後任は、まだ空席のままである。 なお、グロートは、1968年にベルリン・フィルに入団するが、ベルリン・ドイツ・オペラでのソロ奏者に移籍するため、1970年に一旦、ベルリン・フィルを去り、1974年、ソロ奏者としてベルリン・フィルに戻ってきている。

安定した演奏で我々を魅了してきたソロ・トロンボーンのヴォルフラム・アルント(Wolfram Arndt)が、1999年9月末で退団。ミュンヘン音楽大学の教授に就任した。 1964年、シュトゥットガルト生まれなので、今年35歳。 いささか早すぎる感のある退団で、残念な気もする。 1985〜86年、BPOアカデミーの奨学生として、ドゥーゼ=ウテシュの下で勉強した経験があり、 1986〜91年、デュッセルドルフのライン・ドイツ・オペラのソロ奏者として活躍した後、1991年から、BPOのソロ奏者に就任した。 バイロイト音楽祭の常連メンバーでもある。

ソロ・ホルンとして1997年秋に入団したマルクス・マスクニッティ(Markus Maskuniitty)が退団した模様である。 詳細は不明だが、2年間の試用期間後の採用投票の前日に辞表を提出したとのこと ( たまえさんのHP で管理されているホルンメーリングリストのログで、先程、確認した)。

なお、以前のザイフェルトの退団について、定年を迎えたからであるかのような書き方になっているが、その後、N響の久保さんより、「退団時期が定年と間違いやすい時期であった為、多くの方が誤解なさっているようですが、実はベルリン・フィル内である事件がありインテンダントに解雇されたのが真相」との貴重な情報をいただいた。 また、たまえさんからは掲示板で、詳細については、 こちらに情報がある旨、ご教示いただいた。 ここで追加訂正するとともに、お二人に改めてお礼申し上げたい。

(1999年11月13日)


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