Großes Festspielhaus | Mozarteum | |
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21.3. | 20:00 Kontrapunkte 1 | |
22.3. | 18:30 Wozzeck | 11:00 Einfürungsvorträge (Kurt Pahlen: "Wozzeck") |
23.3. | 18:30 Metha/BPO (Beethoven: Egmont, Klavierkonzert Nr.2, Strauss: Ein Heldenleben) | 15:00 Kontrapunkte 2 |
24.3. | 11:30 Fördererproben 18:30 Abbado/BPO (Mahler Symphonie Nr.2) | |
25.3. | 18:30 Abbado/BPO (Bach: Matthäus-Passion) | |
26.3. | 18:30 Wozzeck | 11:00 Einfürungsvorträge (Kurt Pahlen: "Wozzeck") |
27.3. | 17:00 Kontrapunkte 3 20:00 Kontrapunkte 4 | |
28.3. | 18:30 Abbado/BPO (Bach: Matthäus-Passion) | |
29.3. | 11:30 Fördererproben 18:30 Abbado/BPO (Mahler: Symphonie Nr.2) |
9:30 Einfürungsvorträge (Kurt Pahlen: "Wozzeck") 15:00 Kontrapunkte 5 |
30.3. | 11:00 Ivan Fischer/Mahler Jugendorch. (Mozart: Klavierkonzert Nr.12, Strauss: Zarathustra etc) 18:30 Metha/BPO (Beethoven: Egmont, Klavierkonzert Nr.2, Strauss: Ein Heldenleben) | |
31.3. | 18:30 Wozzeck | 11:00 Kontrapunkte 6 |
1997年のイースター音楽祭は、上記のようなスケジュールで開催された。 なお、後援者向けプローベでは、24日はマタイ抜粋、29日はブラームス交響曲第4番が演奏された。 そのうち、私は3月28日から31日までのプログラムを鑑賞することができた。 以下は、その時の大雑把な感想である。
この日、ヴィーンからザルツブルクへ飛行機で移動。ヴィーン空港は強風、ザルツブルク空港は豪雨という悪天候の中、50人乗りのプロペラ機による飛行は、まったく生きた心地がしなかった。後日のピエロ・リュネーロに出演したスコヴァも同乗しており、最前列の座席で、CDを聞きながら、スコアの勉強に余念がなかったようである。ちょうどこの日は聖金曜日。
晩の6時半から「マタイ受難曲」。豪雨と雷の中、会場へと向かう。
Bach: Matthäus-Passion BWV 244演奏に関しては、既にヴィーンで正反対の二つの批評を新聞で読んでいたので、ある程度の予想はついていた。その新聞評の内容は、次のようなもの。
Dirigent: Claudio Abbado
Schwedischer Rundfunkchor
Tölzer Knabenchor
Berliner Philharmonisches Orchester
Instrummentalsoli:
Rainer Kussmaul (Violine)
Daniel Stabrawa (Violine)
Andreas Blau (Flöte)
Marcella Kratz (Flöte)
Albrecht Meyer (Oboe und Oboe d'amore)
Andreas Wittmann (Oboe d'amore)
Dominik Wollenweber (Oboe da caccia)
Christorh Hartmann (Oboe da caccia)
Hildegard Perl (Gambe)
Continuo:
Ludwig Quandt (Violoncello)
Klaus Stoll (Bass)
Stefan Schweigert (Fagott)
Kay Johannsen (Orgel)
Alessandro de Marchi (Orgel)
Gesangssolisten:
Peter Schreier (Evangelist und Tonor-Arien)
Simon Keenlyside (Jesus)
Sylvia McNair (Sopran)
Anne Sofie von Otter (Alt)
Peter Mattei (Baß-Arien)
Andreas Macco (Baß)
で、私の印象はどうだったかというと、
でまず、期待する中、冒頭の合唱が始まったのだが、いやはや、出だしからして軽い軽い。うーむ。 軽いだけならまだしも、ヴァイオリンを変に歌わせ過ぎる個所もあるし。 これで名演になるのだろうかと、いささか心配に。 ”Blute nur”で始まるアリアの冒頭のシンコペーションのリズムも、最近の演奏の傾向なのかもしれないが、あそこまで軽くあっさりやるとは。 うーむ。この2曲だけで、アバドのマタイに対する姿勢を象徴するようである。
しかしまあ、第1部もイエスが捕われたあと、ソプラノとアリアの二重唱に合唱がからむところから、演奏も迫真に迫ってきた。やはり、出演者と曲の威力なのだろう。 残念なのは、第1部のあとも拍手が入ったこと。この音楽祭もすっかり観光化してしまったようである。
さて第2部だが、こうした音楽の場合、もはやアバドがどう、BPOがどう、といったことを超越した世界が展開するといえよう。 もちろん、BPOのソリストは上手かった。 一番の圧巻は、全曲の白眉でもあるソプラノのアリア”Aus Liebe will mein Heiland sterben”。 マクネイアーの慈愛に満ち溢れた素晴らしいソロと、たった3人の伴奏。 フルートのブラウ、オーボエ・ダカッチャのヴォレンヴェーバーとハルトマン。 今回、これを聞くだけでも来た甲斐があったというもの。
しかも、そこまでのマクネイアーのステージでの振る舞いが実に素晴らしい。単に毅然と座っているだけのオッターと違って、マタイの演奏の間、すっかりマタイに没入しているという感じ。 例えば、コラールは合唱に合わせて自分も自然に口ずさんだり、独唱者や独奏者が活躍する場面では、その演奏者の方をじっとのぞきこんでみたり。 そうした姿が自然で非常に愛らしかっただけに、単に自分の出番が来たから歌うというのではない、曲全体との一体感といったものを、このアリアの歌唱で感じさせてくれた訳である。 とにかく、実によかった。
彼女に比べると、オッターはやや期待外れ。 オクタヴィアンを歌うのならあれでもいいかもしれないが、不調だったのか、ちょっと声が今一つの感じ。 シュライヤーは暗譜で気合いの入った歌唱ぶり。第2部の”Geduld”のアリアまで歌ってくれて満足。 それから、マッテイのバスのアリアは、今回の演奏に画竜点睛を添えるといった趣きで、立派でお見事。 エキストラとしてガンバで出演した女性(Hildegard Perl)が、髪の長い不思議な魅力を持った神秘的な女性で、彼女が弾く処刑(磔)の前の十字架のアリアのソロは、彼女一人で会場全体をシーンとさせた感があり、これまた素晴らしかった。
ということで、素晴らしい演奏者に恵まれたマタイは、(指揮者が誰であれ?)素晴らしい演奏になるということを体験できたのが収穫ではあった。 なお、2月のベルリンでのマタイ受難曲の演奏に関しては、詳細なtsujimotoさんのご報告があり、ぜひご参照を。 舞台の配置については、ザルツブルクでは、舞台が横に広いせいか、少年合唱は舞台中央で歌っていたという点が違っていたようである。
9時半からモーツァルテウムで、今年90歳になるパーレン爺さんの「ヴォツェック」解説を聞く。この人は、カラヤンの時代から、その年に取り上げられるオペラの解説をしている人である。
11時半からは、祝祭大劇場での後援者(会員)向けの公開プローベ。 始まる前から楽員がブラ4をさらっていて、トライアングル奏者も準備しているので、これは(^_^)と思っていたら、アバドが登場し、案の定、このあとウィーンで演奏するブラームスから、第4交響曲をやるとのこと。 ブラームスの交響曲の中では、前からこの曲がアバドには一番合っているのではないかと思っていたが、やはり、なかなかよかった。 楽章ごとにざっと通したあと、所々さらうという感じだったが、第2楽章は、始まるとすぐ止めて、木管にチューニングさせていた。 このプローベが始まる前、会場で大阪の知人(Niftyserve 会員)にばったりお会いし、幸いにも2階席(ラング)で聞くことができた。 上の階の席の音のいいことにも、すっかり感心した。 全体としては、第1楽章の後半から密度の濃い演奏になってきた感じ。 コンマスは安永、木管がパユ、シェレンベルガー、フックス、ダミアーノ、金管がドーア、グロート、アルントといった布陣ながら、私にとっての最大の収穫は、このシーズン限りで引退するティンパニのフォーグラー。 しかも、事前に予想しなかった曲の演奏だけに、この思わぬ予想外の大収穫に大満足(^_^)
3時からは、モーツァルテウムでの室内楽シリーズのコントラプンクテ。 プログラムは下記の通り。
Webern: Streichquartet (1905)1曲目のヴェーベルンはまだ濃密な感じの残った作品で、浄夜の引用とかベートーヴェンの作品とも関連があるとか。 浄夜は12人の室内オケ版。安永さん以下、12名のBPOメンバーによる、とんでもなく美しい演奏。終演後、みんな拍手で何度も呼び出されていた。 私もすっかり浄められた感じで(^_^)、すっかり感銘を受けてしまったのだが、一番右で弾いていたクヴァントのチェロが、特に後半、抜群によかった。 後半のリゲティは、ヴァイオリン、ホルン、ピアノのための曲で、ホルンのドーアが難曲を熱演(しかし彼はこの日、午前のブラ4、晩の復活も吹いてるんだから、凄い)。 最後の2曲は、クスマウル、クリスト、ファウストによる密度の濃い演奏。 という訳で、これが1000円(100シリング)なのだから、もったいない話。 それに、一日にもうこれだけ聞いてしまうと、晩の「復活」に感動するだけの余裕は、もう残っていないのではないかという気がするのも確か。
Schönberg: Verklärte Nacht (1899/1943)
Ligeti: Trio (1982)
Webern: Satz op.posth (1925)
Schönberg: Streichtrio (1946)
という訳で、晩の6時半からは、また祝祭大劇場に戻って「復活」。
Mahler: Symphonie Nr.2やはり残念ながら、今回はあまり感銘を受けなかった。周囲には感動した人も結構いたようなのだが、私が感動しなかった要因をいろいろ考えてみると、
Claudio Abbado/Berliner Philharmonisches Orchester
Sopran: Sylvia McNair
Alt: Marjana Lopovsek
Schwedischer Rundfunkchor und Eric Ericson Kammerchor
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