うちの職場の 国際学術交流 のページにもあるように、現在は、同僚の高木先生の尽力のお陰で、ドイツの大学との提携が軌道に乗っている状況です。 具体的には、ヴィースバーデン大学とボン=ライン=ズィーク大学と交流協定が結ばれているわけです。 昨日は、ボン=ライン=ズィーク大学から国際交流担当の方が来られて、懇談会と懇親会があったのですが、 ビールを飲みながらの夜の懇親会での席上、ドイツ人として誇れる人物は誰かというような話題になり、 「ベートーヴェンは?」という質問に対し、その方は、 「ベートーヴェンは、名前からも自明なように、もともとフランドルの家系で、本来のドイツ人ではありませんからね」 というような返答がありました。 なるほど、ずっとボンに住んでる方にすれば、そういう見方もあるのかなと思いました。 ちなみに、アバドのベートーヴェン、ドイツ音楽としてでなく、フランドル音楽として鑑賞すれば、 あまり不満を感じることなく、楽しめるのではないかな、という気にもなってきたのですが(^_^;)。
さて、今度の旅行、土・日より平日発の方が、料金がやや安いということで、3月30日(金)に出発することにしました。 その日は、フランクフルトに着いたら、もう一つの提携大学であるヴィースバーデン大学に留学中の学生に会い、 また、向こうでお世話になっている先生にもご挨拶したりする予定です。 一応、たまには、職場の国際交流にも貢献しておかないと(^_^;)というわけです。 たぶん、晩に親睦する機会があるのだろうと思いますが、それが特に問題なく無事に済めば、 23時過ぎの夜行列車で、ウィーン行きを考えています。 ウィーン行きは、航空券を申し込んだときには念頭にはなく、数日前にその気になってきた計画なのですが。 まあ、そんなわけで、今回は、夜行列車での移動が増えそうです。 「神々の黄昏」終演後、カーテンコールもそこそこに劇場を出て、急いで西駅に戻り、また夜行列車。 ウィーンからベルリンぐらい、普通は飛行機で飛ぶ距離なのでしょうけど。 それにしても、この年になって、こういう旅行、まだ大丈夫なのだろうか、という感じです(^_^;)。
ところで、「セレンディピティ (serendipity)」という単語をご存知でしょうか。 「ものをうまく見つけ出す能力」などど辞書には載っていますが、 「セレンディップの三人の王子」というお話に基づく単語とのこと。 ノーベル賞の授賞式などでも、「思いがけない偶然の発見が、すばらしい結果を導く」 話の例として、このセレンディップの王子の話がよく引き合いに出されたりしているようです。 ちなみに、この話を私が知ったのも偶然で(^_^)、ゴッツィの「鹿の王」の原作となった作品を調べていたら、この物語に出会ったというわけです。 これ以上の詳しい話は、雑感の域を越えるので、 「セレンディッポの三人の王子の旅」 という文章を別にアップしました。
フィレンツェ歌劇場の日本での演目は、「椿姫」と「トゥーランドット」ですが、 もちろん、残念ながら、見に行く予定はありません。 その代わり、プッチーニの「トゥーランドット」は、今回、ベルリン・ドイツ・オペラで見て来る予定です(演出はゲッツ・フリードリヒ)。 ベルリンでは、前にも書いたように、コーミッシェ・オーパーでヘンツェの「鹿の王」という珍しいオペラも見るつもりなのですが、このオペラも、「トゥーランドット」と同様、ゴッツィの寓話劇を原作とするオペラ。 そうすると、同じくゴッツィを原作とするオペラとして、プロコフィエフの「三つのオレンジの恋」のケルンでのプレミエ(4月6日)も、どうせならついでに 見ておきたいと考えるのも、当然でしょうか。 ここ数年、ゴッツィとオペラについていろいろ調べているからでもあるのですが (ちなみに、これまでに収集した参考文献を こちらに整理してみました)。
幸いなことに、高校時代の友人がデュッセルドルフにおり、2年前の春にもいろいろお世話になったのですが、今回のこのケルンのチケットも、2階(1.Rang)最前列を確保してくれたとのこと。本当にありがたいことです。 で、結局、このオペラを友人と一緒に見たあと、私は夜行列車でザルツブルクへ移動ということになりそうです。 今回は、久しぶりに、ジャーマンレールパスも手配しました。
ハイドン: 交響曲第94番モーツァルトの協奏曲は、今月下旬に四国でも、パユがN響と一緒に演奏するのですが。 ヤンソンスの「幻想」は、正攻法の演奏といった感じでしょうから、楽しみですね。
モーツァルト: フルート協奏曲第2番(ソリストはパユ)
ベルリオーズ: 幻想交響曲
鈴木康央「フルトヴェングラーとハーケンクロイツ」という本が昨日届き、パラパラとめくっていると、 1942年の「第九」を演奏したメンバーとして、エーベルト(ヴァイオリン)、シュタイン(チェロ)、 リントベルク(ティンパニ)といった奏者の名前が。 そこで、歴代団員が載っている資料で確認してみたのですが、 そういった名前は見当たりませんでした。 よく考えると、この本は、小説なのですね(^_^;)。
ヴィオラの清水直子さん、昨秋、土屋さんからお聞きした通り、2月からBPOの第1ソロ奏者として演奏を始めたようですが、 "Das Orchester"誌の2月号を見ると(公式HPでも)、まだヴィオラの第1ソロを募集しているようです。 ということは、レーザも、そのうち第1ソロをやめるつもりなのでしょうかね。 よくわかりませんが。
3月5, 6, 7日 アバド マルサリスとリンカーン・センター・ジャズ・オーケストラとの共演まず、アバドが、 マルサリスとリンカーン・センター・ジャズ・オーケストラと共演するのが注目でしょうか。 続いて、ノリントンによるロンドン・シリーズ。 その後が、ラトルによる1日だけのコンサート。 当初は、メシアンの前に、BPO委嘱によるデゥティユーの新作が初演される予定でしたが、間に合わなかったんでしょうかね。 そして、メッツマッハーの意欲的なプログラム。 月末がハーディング。 ハーディングは、アバドのアシスタントだった頃、1996年9月11日、 ウェルザー=メストの代役で指揮したのがBPO初登場で、今回は、2度目になるようです。
ストラヴィンスキー:ラグタイム。タンゴ、ロシア風スケルツォ、前奏曲、 ショスタコーヴィチ:タヒチ・トロット、 ガーシュウィン:なまず横丁、フーガ、キューバ序曲、 W.マルサリス:「オール・ライズ」より7つの楽章3月10, 11, 12日 ノリントン ロンドンの街で
ヴォーン=ウィリアムズ:S2、ヘンデル:王宮の花火の音楽、エルガー:序曲「コケイン」、ウォルトン:戴冠式行進曲「王冠」3月17日 ラトル ムジーク・ビエンナーレ
メシアン:かなたの閃光3月21, 22, 23日 メッツマッハー、 ジョンソン(テノール)、ローラー(語り)
ストラヴィンスキー:ペルセフォネ、B.A.ツィンマーマン:フォトプトシス、スクリャービン:法悦の詩3月27, 28, 29日 ハーディング、 ボストリッジ(テノール)
ベルク:抒情組曲、ブリテン:ノクターン、シューマン:S3「ライン」
さて、BPOのティンパニ奏者で、フォーグラーの前任者だったアヴゲリノスの 著作リストを、整理のために作成してみました。 1907年生まれなので、まだ生存しているのかどうか不明なのですが、どうなのでしょうね。 今度、ベルリンに行ったら、調べてみようと思っていますが。 ティンパニ奏者の本というと、テーリヒェンが有名ですが、アヴゲリノスも、もっと知られていいのかも。 ということで、いろいろ紹介していきたいとは思っているのですが、いつになることやら(^_^;)。