雑 感
1998年4〜5月
諸般の事情で(^_^;)、しばらく更新ができなくなります。どうかご了承下さい(_ _)。
次回の更新は、4月20日以降になる予定です。
キーワードは、「ペレアス」に始まり「ルル」に終わるパリ???
(4月3日)
4月20日(月)より職場に復帰し、今日で新年度の一巡目が終わりました。
やっと更新の余裕も出てきました。
今回の滞在は、4月6日のパリのオペラ・コミックでの「ペレアスとメリザンド」で始まり、4月18日のパリのバスチーユでの「ルル」で終了しました。
「ペレアス」の由緒ある初演劇場での上演は、なかなか幻想的で素晴らしいものでした。
プレートルの指揮もよかったです。
「ルル」3幕版は今回初めて実演に接することができましたが、音楽的に高水準の演奏で大変感銘を受けました。
ヴィーンのシュターツオーパーでは、4月9日の「リエンツィ」と4月15日の「サロメ」を見ました。
「リエンツィ」は序曲からほれぼれする名演で、その後の面白い舞台の展開にもすっかり満足することができました。
それに対し、「サロメ」の方は期待したにもかかわらず、水準をクリアしただけのルーチンワーク的な演奏に終始し、最後まで感銘を得ることなく終わり、大変残念でした。
やはり、プロダクションの新旧(新鮮さ)の違いも感じました。
4月10日〜13日は、ザルツブルクのイースター音楽祭を聞きました。
アバドのマーラー3番は、終演後10秒後くらいに始まった拍手もすぐ止み、その後30秒くらいたってから、やっと盛大な拍手が沸き起こりました。
それほど自然への畏敬を深く感じさせる見事な名演でした。
アーノンクールの「英雄」は小編成での演奏で、評価の難しい演奏でしたが、この音楽祭には珍しく終演後にブーも出ました。
ヤンソンスの「アルペン」は、ステージを見ているだけで壮観で、もう何も言うことはありません。
ベルリン・フィルが演奏するために存在するような大曲は、やはり圧巻という他はありません。
アバドの「ボリス」は大迫力の合唱に対し、オケは叙情性あふれた演奏を展開し、なかなか素晴らしい結果となりました。
戴冠式の場で巨大な鐘が釣り上げられ(迫力満点!)、死の場面でその鐘が下に降ろされるのですが、アバド自身の2002年での辞任といった現実のイメージと重複し、演奏も深く印象に残るものでした。
4月16日のヴィーン・フォルクスオーパーでの「ノルマ」、4月17日のパリ・オペラ座(ガルニエ)での「アルジェのイタリア女」も、ユニークな舞台で楽しめました。
どちらもイタリア国旗が舞台に出てきて、2日連続で目にすることになりました。
「アルジェ」は来週、生中継があるようなので楽しみです。
その他、ザルツブルクからヴィーンに戻る途中で立ち寄ったサンクト・フローリアン修道院では、
マルモアザールや地下のブルックナーの棺も見ることができて、素晴らしい体験となりました。
(4月24日)
どうも、いつの間にか5月になってしまいました。更新もなかなかはかどらず恐縮です(_ _)。
5月8日(金)に香川県県民小ホール(アクトホール)で、武久源造氏らの演奏会(「ドイツの森から......シューベルティアーデ風に」)があり、その実行委員として、プログラムの作成と印刷などの仕事を担当しました(また演奏会の当日と翌日は、それぞれ午前4時、午前2時までの飲酒活動 ^_^)。このコンサートが成功裡に終わり(と勝手に理解 ^_^;)、まずは一段落といったところです。
あとは、6月20日(土)に香川県県民大ホールで高松交響楽団の第87回定期演奏会が開催される予定なのですが、打楽器のパートリーダーからは一向に連絡がないので、どうなっているのだろうかといったところです(相変わらず、不信感の固まり!)。
プログラムは「こうもり」序曲、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲(独奏:川井郁子)、サン=サーンス:交響曲第3番といった内容。
出なくてもいい(人数が間に合う)のなら、別にそれでもいいのですが、それで済む曲でもなさそうだし、直前になってから言われても困るんですがね....
そのあと秋は、11月8日(日)に、ベートーヴェンの第9交響曲をやるそうです。
この曲は香川芸術フェスティバルとやらの一環で、いつも最終日に演奏されているのですが、オケは昨年までは香川県が県外から適当に人をかき集めて、まあ、いい加減にやっていたものです(これについては書きたいことも多々あるが、今回は省略)。
今年はどういう風の吹き回しか、地元のオーケストラが出ることになったみたいです。
まあやるのなら、ティンパニは私が叩きたいものですが....(^_^;)
(5月13日)
ザルツブルク復活祭音楽祭のアバドが芸術監督を務める2002年までのオペラの上演予定をアップしようかと考えていたのですが、思い切って、創設された1967年からの演目を全部まとめてみることにしました(^_^)
アバド時代も個性的な演目が並んでおり、だいぶ成果を挙げてきているといえるでしょう(ただし、演目によっては、空席が目立つのが残念ですが)。
この音楽祭の創設期の頃からのリストを眺めてみると、やはりこの音楽祭はワーグナーが重要な地位を占めていたようです。
その意味で、1999年の26年ぶりの「トリスタン」は大いに楽しみです。
アバドとしても、これで一つの責務を果たす感じになるのではないでしょうか。
さて、2003年以降については、この音楽祭の継続自体、まだ白紙のようですが、アバドの後任選びも、ザルツブルクでオペラが振れる人が求められることでしょう。
もし、コッテリ系の人が後任になったら、カラヤン時代のようなワーグナー路線が復活するのだろうか、といったことも予想されるのですが......
来月のサン=サーンス3番では、シンバルを担当することになりました。
学生時代以来、シンバルをステージで叩く機会は(ここ15年以上)全然なかったので、大変楽しみです(^_^;)
役割もなかなか重要ですし。
(5月17日)
イースター音楽祭では、会員(後援者)に毎年CDを配布してくれるのですが、ここ何回かは、市販のものと全然変わらない(音楽祭のロゴマークもない)CDだったので、それほど有り難いという感じでもありませんでした。
95年は、ポリーニとの「皇帝」(DG)、97年は、前年収録の第九(Sony)。
今回の98年も、DG発売のカラヤン記念CD(国内盤では「メモリアル・カラヤン」として発売)との事前の案内。
まあ、せっかくだからと、祝祭劇場の売店に会員証を持参して受け取りにいったら、何と、前年の「マタイ」の3枚組のCDまで、これと一緒に配布されました(^_^)
ちゃんとCDの表には、後援者向け特別盤(Sonderauflage für die Förderer der Salzburger Osterfestspiele)という文字と音楽祭のロゴも載っています。
出しているのは、イタリアのミラノにある MUSICOM という会社です。
CD番号も一応、ご紹介しておきますと、MC9835-37。
第1部の72分がすっぽり1枚目に収まっています。
演奏後、かなりの間をおいて拍手も入っていますから、ライヴ録音なのでしょう。
一般に市販されてもいいと思うのですが、どうなるのでしょうか。
(5月25日)
「パイパーズ」という雑誌は、管楽器奏者以外には縁のない雑誌かと長年思っていましたが、
最近、バーゼル交響楽団主席ティンパニ奏者の宮崎泰二郎さんの連載「ああ、パウカー!
またはティンパニストの休日」が載っているので、買ってみることにしました
(もっとも、これに気がついたのは、「フォルカーの部屋」でのBPOクラリネット奏者ヴェンツェル・フックスのインタビューが4月号に載っているとの情報がきっかけでしたが)。
宮崎さんはBPOアカデミーで勉強された方で、当然、BPOの話題も載っています。
昨日買った6月号には、ルツェルンで「ボレロ」のエキストラで出た話。
演奏会当日は、ゲネプロがなくて、フォーグラーと半日ルツェルン湖畔で遊び、本番で5発叩いて4万円もらったとか。
また、ブルックナーの7番、8番では、シンバルは1〜2発しか出番がないが、演奏者は曲に詳しくなり、
「ベルリンフィルのレンベンスさんなど、ブルックナーには一家言も二家言もあり、彼が特大のシンバルを前に置いて腕を組み、オケ全体に睨みを効かせているだけで、オケがグッと引き締まるのだった」など、うーむ、まさにこの部屋向きの話題ではないか(^_^;)
とはいえ、フォーグラーは昨年退団、レンベンスは今年退団、味のある奏者が続々退団していくのは、非常に寂しいものがあります。
あと6月号には、1950年から1986年までトランペット奏者(1975年まではソロ)として在籍したホルスト・アイヒラーのインタビューも載っていて、興味深い話の連続。
その他、トロンボーン奏者だったヨハン・ドムスのお弟子さんの話もありました。
いやはや、この雑誌も、毎月、目が離せなくなりそうです。
私の出演する6月20日の高松交響楽団演奏会の案内を Freude 掲載していただきました。
実は、その少し前の6月15日には、ピアノ伴奏まで務めることになったのですが、この話はまた別の機会に。
それにしても、ちゃんと人前で弾けるのだろうか(^_^;)
(5月28日)
『I教授の家』の最新の話題は「ネクタイ」。私は職場では普段はほとんどネクタイはしないのですが、年に何度かはすることがあります。
それは学生以外の人の前に立つ時で、生涯学習教育研究センターの講座など。
今日は、ここのところやっている「オペラの世界」の、今年度の第1回目。
「ボリス・ゴドゥノフ」を取り上げ、タルコフスキー演出の録画で要所要所を鑑賞しながら、ザルツブルクでの演出の話題にも触れたりしました。
キーボードも持ち込んで、素人ながら、いろいろ説明したりもするのですが(^_^;)、戴冠式から死の場面に至るまで、増4度の音程(トリトヌス)が非常に効果的に使われていることを、改めて痛感しました。
あと、一番最初は、ビデオでショルティ/BPOのショスタコ5番の最後のところを見てもらい(^_^;)、例の証言の”『ボリス』と同様の強制された歓喜”というところから話を始めました。
ちなみに、昨年の高松交響楽団の演奏会でショスタコ5番のティンパニを叩いたのは私で、受講生の中に聞きに来ていただいた方もおり、結構ウケました(^_^)
しかし、この講座のための準備や資料作成は結構大変で、まあ、好きでやっているとはいえ、毎月、これが一つ終わるたびに、ほっとします。
(5月29日)
今度、ピアノ伴奏することになった曲は、レーヴェの歌曲で、「真夜中の閲兵」と「虜囚の提督」の2曲。どちらも、今回初めて知った曲。なかなか面白そうな曲ではある。
歌うのは同じ学科の同僚で、中国語や中国文化論を担当しているT氏。
イタリアオペラの大ファンで、イタリアオペラが上演される際は、よく上京している(ドイツオペラの時は割と上京する私とは対照的 ^_^;)。
もっと上手い人が大勢いるでしょう、と返答したのだが、ドイツリートなので、ドイツ語を知っている人の方が望ましいとかいうことで、ステージに立つことになってしまったのである。
まあ、途中で演奏が止まらなければ、よしということにしておきましょう。
ご参考までに、この演奏会の案内もアップしておきました(^_^;)
(5月31日)
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