雑  感
1999年12月


さて、もう12月ですが、今年のジルヴェスターコンサートも、ちゃんと生中継されるようで、今から大変に楽しみです。 ここしばらく、現地では午後5時15分開演だったので、例年、日本では午前1時過ぎには見れたのですが、今年は午後8時開演とのこと。 生中継も午前4時からとなり、朝まで徹夜して見るかどうか、ちょっと迷うところです。 ここ数年、曲目はぎりぎりまで決まらなかったのに、今回は早めに決まっているようで、演奏者の気合いも今から十分伝わってくるような。 演奏曲目は、周知のように、いずれもフィナーレばかり。
Beethoven Symphonie Nr. 7 A-Dur op. 92: Allegro con brio
Dvorák Symphonie Nr. 8 G-Dur op. 88: Allegro ma non troppo
Mahler Symphonie Nr. 5 cis-Moll: Adagietto - Rondo Finale
Strawinsky Der Feuervogel: Danse infernal - Berceuse - Final
Ravel Daphnis et Chloé: Danse générale
Prokofjew Skythische Suite op. 20: Aufbruch Lollis und Sonnenaufgang
Schönberg Gurrelieder: Finale
さて、12月のBPOは、3〜5日がアバドで、シュトラウスのホルン協奏曲第1番(ソロはドーア)、ピンチャーの「エロディアード ─ 断章」(初演)、ベートーヴェンの交響曲第7番。 2曲目のピンチャーの曲はBPOの委嘱作品で、お馴染みサロメを題材にした作品のようです。 ソプラノのシェーファーが出演し、シェーンベルクの「期待」のように、ソプラノによるモノローグ的な作品だとか。 最後のベト7は、DGによるアバドの新全集録音の一環のようで、コンマスにクスマウルが登場したり、ヴィオラもクリストが参加したりと、既に退団した奏者も客演したようです。

ついで、8〜10日もアバドで、プロコフィエフの「スキタイ組曲」、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番(ソロはヴィヴィアーネ・ハーグナー)、プロコフィエフの「アレクサンダー・ネフスキー」。 特に、「ネフスキー」は、アバドが前々からやりたかった曲のようで、タラーソワのメゾ、プラハ・フィルハーモニー合唱団とともに、満を持して取り上げたのでしょう。 アバドは12日に、カラヤン時代のインテンダントで昨年11月に亡くなったシュトレーゼマンの追悼のための慈善演奏会も指揮。シューベルトの「未完成」、ブラームスのピアノ協奏曲第1番(ソロはバレンボイム)。 シュトレーゼマンについては、昨年6月の雑感でも触れましたが、なかなか大きい存在だったといえるでしょう。 元大統領のヴァイツゼッカーも追悼演説をしたようです。 なお、この2つのプログラム、デュッセルドルフでこの春にお世話になった私の友人が聞きに行く予定とのことでしたので、何か教えていただけるのではないかと。

このあとは、ヤンソンスによる2つのプラグラムの演奏会があって、いよいよジルヴァスター。 16〜18日が、ウェーバーの「オベロン」序曲、シュトラウスの「ツァラトゥストラ」、ドヴォルザークの交響曲第8番。 21〜23日が、ベートーヴェンの交響曲第2番、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番(ソロはヒラリー・ハーン)、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」抜粋。 なお、この春にザルツブルクで、インテンダントのヴァインガルテンから聞いた話によると、来年の日本公演のヤンソンスのプログラムのうち、決定済みの一つは、「オベロン」序曲、ショスタコのVn協1、ドヴァ8とのことでした。 従って、今月の定期のプログラムを組み合わせたものになるようです。 日本公演の残りのプログラムはどうなるのか、興味津々ではあります。

(12月13日)

先に触れたジルヴェスターの曲目ですが、公式HPの一番上の欄の Aktuelles での情報によりますと、下記のものになるようです。まず、全体が2部に分かれ、第1部が従来から予告されていたフィナーレ特集。そのあとの第2部、「音楽はベルリンの空気の中にある」というテーマで、ベルリンにちなんだ気楽な音楽が演奏されるようです。あと、第1部のプロコフィエフ、スキタイ組曲から、アレクサンダー・ネフスキーのフィナーレに変更になるようです。せっかく合唱団もいるので、合唱の入る曲にしたのかもしれません。
I. Lauter Finali
Ludwig van Beethoven Symphonie Nr. 7 A-Dur op. 92
Allegro con brio
Antonin Dvorák Symphonie Nr. 8 G-Dur op. 88
Allegro ma non troppo
Gustav Mahler Symphonie Nr. 5 cis-Moll
Rondo Finale
Igor Strawinsky Der Feuervogel
Danse infernal - Berceuse - Final
Maurice Ravel Daphnis et Chloé
Danse générale
Sergej Prokofjew Alexander Newski
Alexanders Einzug in Pskow
Arnold Schönberg Gurrelieder
"Sehet die Sonne"

II. Musik liegt in der Berliner Luft
Otto Nicolai Ouverture zu "Die lustigen Weiber von Windsor"
Paul Lincke "Grigri"-Ouverture,
"Folies bergeres"-Marsch, Brandbrief Galopp
Ernst Fischer Prelude champagner
Sigmund Schlichting Kreuzpolka
Walter Kollo Unter den Linden - Medley

なお、公式HPのこの欄には、掲示板で触れた新しいコンマスとソロ・トランペット奏者についても載っています。
(12月15日)

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