雑  感
2001年9月


アバドが音楽監督としてBPOを最後に指揮するのは、5月12日と13日のウィーン公演ということになるのでしょうか。 ここを見ると、そのプログラムが決まったようです。 初日がマーラー7番。2日目がマーラー《リュッケルト歌曲集》とシェーンベルク《ペレアスとメリザンド》。 カラヤンが80年代になって、マーラー9番と《アルペン》を好んで取り上げていましたが、 アバドの場合、マーラー7番とこの《ペレアス》が、何となく、それに近いような感じもするのですが、どんなもんでしょう。 (日本でも、《ペレアス》をぜひ演奏して欲しかったものですが。)

そのシェーンベルクの《ペレアス》、9月のベルリン芸術週間でも演奏されましたね。 もうご存知の方も多いかと思い、特にご紹介はしませんでしたが、 閑古鳥先生の 「過ぎゆく日々に」 のベルリン滞在日記に、その演奏会について触れられていますので、 まだお読みでない方には、一読をお薦めします。 9月8日と9月9日で《ペレアス》、そして、9月19日と20日でラトル指揮の《グレの歌》についても、 興味深い貴重な報告がなされています。 それにしても、《グレの歌》で、ティンパニの撥の頭が飛んでいったなんて(^_^;)。 (ちなみに、BPO関係では、3月21日の「ベルリン」にも、メッツマッハー指揮のコンサートの話が載っています。)

さて、10月に入ると、BPOのアメリカ演奏旅行ですが、初日のニューヨークがベートーヴェンの《英雄》。 第2楽章 葬送行進曲で、犠牲者への冥福を祈るのでしょうね。 そのあと、ベートーヴェンの5番・6番というプログラムがありますが、演奏の順番は、この番号順なのでしょうか。 カラヤンだったら、6番・5番の順で演奏していたわけですが、 アバドだったら、5番・6番の順でやるのかも。

(9月27日)

日曜日に放送されたアバド/BPOのワーグナー、 《パルジファル》前奏曲の清澄な演奏が一番よかったような気がしましたが、 いかがだったでしょうか。 それに比べると、〈ヴォータンの告別〉にはもうちょっと味付けが必要な気も。 何はともあれ、ザルツブルクでの《パルジファル》公演が楽しみになりました(^_^)。 あの調子のまま、澄み切った〈聖金曜日の音楽〉を聞かせてくれたら、 さぞ感動的でしょう。

そのイースター音楽祭、ヤンソンスのコンサートに、庄司紗矢香がソリストとして出演するという情報があるようですが、本当なのでしょうか。 東京交響楽団のページで、来年3月30日のコンサートのところに、 以下のように書かれています。

バルトークのヴァイオリン協奏曲のソリストに予定されておりました庄司紗矢香氏は、本人の都合により出演キャンセルとなりました。代わってオーギュスタン・デュメイがベートーヴェンの協奏曲を演奏いたしますので、何卒ご了承下さい。
どうも、これは、イースター音楽祭に出演するためのキャンセルらしいのですが、 ヤンソンスのコンサート(《スコットランド》と《英雄の生涯》)のプログラム、 変更されるのでしょうかね。 個人的には、別にコンチェルトに変えて欲しいとも思わないのですが。

イースター音楽祭のコントラプンクテ(室内楽演奏会)のスケジュールが、BPOの公式HPに出ていたので、 ここに追加しておきました。 3月30日、ヤンソンスのコンサートのあと、夜の9時半から、 ジャズコンサートも予定されているのですね。 とても楽しみです(^_^)。

それから、来年5月1日のパレルモでの演奏会の曲目が、マーラー7番から別の曲に変更になっているようですので、 ヨーロッパコンサートのページ も更新しておきました。

(9月25日)

ラテンアメリカ音楽の夕べ(バレンボイム)
1998年のヴァルトビューネのDVDもやっと入手したので、早速見てみました。 驚いたのは、後半、ヒナステラ以降のラテンアメリカの曲がはじまると、 曲の合間にバレンボイムが巧みに解説を入れているのですね。 聴衆との面白いやりとりもあったりして、なかなか興味深いものでした。 3年前に某放送局が放送したときには、放送時間の制約から、 この解説は全部カットされていたので、今回、初めて知ったわけです (最後の《ベルリンの風》の前の挨拶だけは、カットされずに放送されてましたが)。 このバレンボイムの解説も、後半のプログラムを聞く楽しみを増してくれると思うので、 このDVD、買って損はないと思います。

また、ドイツで出ている TDK盤は、《アランフェス》がカットされ、収録時間が91分だけのようですが、日本のパイオニア盤は、《アランフェス》もギターのアンコール曲も入っていて、収録時間が119分と、30分近く長いのもうれしいところ。 ただ、一つだけ残念なのは、ピアソラの《デカリッシモ》の次に、 アンコールの2曲目として演奏されたヒナステラの《いきな娘の踊り》という曲だけがカットされていること(この曲は、放送ではカットされなかった)。 まあ、3分足らずの短い曲ですが、どうしてDVDではカットされたんでしょうね。 先に触れたように、このDVD、収録時間が119分。 ということは、何とか120分以内に収まるようとしたということなのでしょうか。 確かに、LDでは120分以上は収録できないので、この時間内に収まるよう、いろいろ工夫されていましたが、DVDは120分以上でも構わないのですよね。 会社の名前がパイオニアLDCということで、LDの規格にも合うような収録時間にこだわっているのでしょうか。

と、少しだけ不満も述べましたが、このシリーズを出してくれているパイオニアには、 本当に感謝したい気持ちです。 この勢いで、ジルヴェスターなども、どんどん出して欲しいですね(^_^)。 シューマンとかメンデルスゾーンとか、ソニーはさっぱり出す気もないようですし。 WOWOWで放送された録画なども、何とか出ないものでしょうかね。

それにしても、某放送局は、BPOを黙殺しつつも、各国の珍しい映像などは、放送してくれているようです。 先日、タイマー録画していたものをざっと眺めてみたのですが、ショルティ/フランス放送の《復活》には、びっくりしましたね。 第4楽章のあと、アタッカですぐ第5楽章がはじまるのかと思ったら、 一旦、そこで曲を中断し、合唱団の入場。うーむ。 で、その合唱団の立つ位置が、金管楽器のうしろで打楽器の前。 こんなのもありだったんでしょうか。 打楽器奏者は指揮者も見えにくく合わせにくいでしょうし、合唱の人は打楽器がうるさいでしょうし。

(9月1日)

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