雑  感
1998年10月


「ストレーレルは語る」(早川書房)という本を、今週の火曜日、徳島の書店で見かけました。 結構高かったので、図書館で買ってもらおうかと思って(^_^)、その場では買わなかったのですが、なかなか面白そうでした。 オペラの演出に関するところで、「カラヤンとアバド」という章があり、1974年のザルツブルクでのカラヤンとの「魔笛」は不幸な結果に終わったが、アバドとは「シモン」「マクベス」「3つのオレンジの恋」などで、素晴らしい仕事をしたという内容。 まさに、その通りなのでしょうね。 「3つのオレンジの恋」は、現在、ゴッツィとの関連でまたぼちぼち原稿を書いているところなので(実はもう締切だったりする ^_^;)、録画が残ってくれていればよかったのにと思ってしまいました。

今月のベルリン・フィル日本公演、マーラー3番の打楽器のエキストラとして、昨年退団したフォーグラー、今年退団したレンベンスの2名も、一緒に来日するようです。 もっとも、フォーグラーはティンパニを叩く訳ではなく(もしそうなら嬉しいけど ^_^)、3月のベルリンでのようにシンバルを叩くのか、まあ、ティンパニ以外の打楽器を担当するのでしょうが。 今回も打楽器陣は、新日フィルの近藤さん(前回の「復活」でも出演された)と一緒に、有馬温泉でゆっくり静養して、日本公演に備えるのでしょうか。 もっとも、今回は、福岡が初日なので、別府とかだったりして(^_^)。 ご存知の方、お教えいただければ幸いです(_ _)。 という話はさておき、マーラー3番の打楽器奏者の分析と研究を、打楽器奏者のホームページを開設しているたろうさんにもぜひお願いしたく、もし22日の横浜公演のチケット、お譲りいただける方がおられましたら、掲示板のたろうさんまで、よろしくお願いします(_ _)。

(10月 1日)

いやはや、ベルリン・フィルのアメリカ・日本ツアーが間もなくというのに、いろいろドタバタが続いているようです(ニューヨーク公演は、10月7〜9日の3日間)。

9月末にベルリンを訪れた方(夏にお会いしたK氏)から、先程、葉書が届いたのですが、今シーズンの《愛と死》チクルスの開幕を飾るはずだった 9月29日〜10月1日 のアバドの3回のベルリンでのコンサート(ベルリオーズの初期の作品、夜想曲、ラ・ヴァルス)が、コンサート自体すべてキャンセルされたようです。 理由は、"einer plötzlichen aufgetretenen Virusinfektion" すなわち、「突発性のウイルス感染」ということでしょうか。 指揮者の変更も間に合わない程、急だったんでしょうか。 世界一周ツアーのために大事をとったということもあるのでしょうが、元気に来日していただきたいものですね。

アバド関連の記事:    Berliner_Zeitung    Berliner_Kurier

あと、個人的に、大変に残念なのは、掲示板にたろうさんが書かれているように、フォーグラーのツアー参加がドクターストップで取りやめになったこと。 マーラー3番は、打楽器はステージ上だけで8人(他に舞台裏のスネア奏者も必要)ということで、日本公演では、ベルリン・フィルの打楽器の最近の新人の他に、既に退団したその前任者も勢揃いするという、まさに夢のオールスターが実現する予定だったようですが、どうやら幻に終わってしまったようです。

(10月 5日)

続報もフォローしておきましょう。 先程、Berliner_Kurier の記事を検索しておりましたら、10月 4日の記事で、アバドも回復し、無事に3週間のツアーに旅立ったとの内容のものがありました。 どうぞ、ご安心下さい(^_^)。
Philharmoniker auf Tournee

しかしまあ、10月 1日まで演奏会やって、4日から長期ツアーに出るというのは、指揮者にとっても、オケにとっても、かなりの負担となったことでしょう。 予定された定期演奏会がキャンセルされるというのは、滅多にない珍事(指揮者変更だけなら日常茶飯でしょうが)とはいえ、今回は、やむを得なかったのではという気もします。 (まあ、確信犯的キャンセルではないと思いますが ^_^;)

(10月 6日)

今回の一件で、現地の新聞のホームページも、重要な情報源になることがわかりました。 今後も、たまにチェックしておこうかなと考えています (いずれ、それらのコーナーも作るかもしれません)。

では、早速、 Der Tagesspiegel で見つけた記事を、ご紹介しておきます。

アバドの後任:1999年に決定
ベルリン・フィルのインテンダント、ヴァインガルテンによれば、オーケストラは今シーズンの終わりまで、遅くとも1999年秋までには、新しい主席指揮者を決定するとのことである。 現在の音楽監督アバドは、2002年でオーケストラを去る。 楽団理事のリーゲルバウアーは、本紙に対して、次の点を強調した。 すなわち、団員たちは、何よりもまず、オーケストラが21世紀にどの方向に進んでいくべきかをはっきりさせたいのである、と。 「我々にふさわしい名前については、それから議論することになるでしょう。」 (10月 2日付け)

リーゲルバウアーは、先日のブルックナーでも活躍していたコントラバス奏者で、現在は、トロンボーンのゲスリングと一緒に、楽団理事(Orchestervorstand)の要職についている人です。 まあ、今後の展開が楽しみといったところでしょうか。

(10月 7日)

フォルカーの部屋を目指して、ここのところ連日更新している訳ではないのですが(^_^;)、9月26日の"Der Tagesspiegel"に、また1件、記事を見つけました。 9月下旬に、楽団理事の改選があって、リーゲルバウアーとヴァッツェルの2名が選ばれたとのこと。 昨日も触れたリーゲルバウアーは留任で、トロンボーンのゲスリングはソロ・コントラバスのヴァッツェルと交代したということのようです。 これで、2名とも、コントラバス奏者になったようですね。

あと、「FMファン」に載っていたのですが、来春のイースターで上演される「トリスタン」のプロダクションが、来年のフィレンツェ5月音楽祭でも、メータの指揮で上演されるようです(ザルツブルクとフィレンツェの共同製作という形の模様)。 ザルツブルクのイースターのプロダクションのイタリアでの上演というと、1995年の「エレクトラ」は、1996年5月5日と8日にフィレンツェで、1996年の「オテロ」は、1997年5月8日と11日にトリノでそれぞれ行なわれていますが(演奏はいずれもアバド/BPO)、「トリスタン」はやはり、アバドは2000年に日本で演奏するつもりなのでしょうか。 ところで、「トリスタン」を演出するグリューバーですが、パリで彼の演出による「パルジファル」を見た知人の話では、第2幕では、舞台の天井から鮫が吊るされたりと、あまり趣味のいいものではなく、かなり激怒したようです。 いやはや、どうなることやら(^_^)。

(10月 8日)

さすがに、そろそろネタ切れです(^_^;)。 週末は丸亀で本番もありますし(私の出番は、たぶん大太鼓を少々叩くだけですが)、遅れている原稿も、そろそろ仕上げないといけないし、ということで、またしばらく更新ができないと思います(_ _)。

昨日、やっと "NIFTYSERVE MAGAZINE" の11月号を入手しました。 「音楽フォーラム−クラシック」の夏の演奏オフの紹介を見るのが目的ですが、私の写っている写真もありました(^_^;)。 ここであれこれ書いている人物の顔を見てみたいと思われる方が、もしおられましたら、ご覧になってみて下さい。 ヒントは「幻想の遠雷」です(^_^)。 もちろん、ティンパニを叩いています。

(10月 9日)

どうも、無事に戻って来ました(^_^)。 とりあえず、記憶が新鮮なうちに、簡単な感想は掲示板に書きなぐりましたので、ご参照いただければ有難いです。 しかし、ほんと、con graziaの来日公演の特別大企画での書き込みを読むと、私よりも詳しい方々の感想ばかりで、いろいろ参考になります。 私としては、もうそんなに書くこともないな、といった感じです。 まあ、一言で言えば、今回は、マーラーは「感嘆はすれど、○○は ....?」といった感じも残りましたが、かぶりつきの席でのブルックナーは、有無を言わせぬ圧倒的音楽体験だったといったところ(^_^)。

さて、いよいよ「トリスタン」を持ってくる2000年の来日公演ですが、日程は11月15日〜12月5日が予定されているとか。 とすると、オペラ以外に、コンサートも組まれるのでしょうかね。

(10月25日)

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